公開稽古。それは本来、特に非公開でもない稽古風景を敢えて「公開しますよ!」とアッピィィルすることにより特別感を演出し、未知なる参加者の興味を引こうという企画である! 身も蓋もない!
そして! 募集に応じてお越しいただいた参加者はなんと……!

0名。

ま、そういうこともあります。
それでも、なんとも幸運なことに別ルートから2名の参加者様に恵まれ、無事、公開する相手のいる稽古ができました。
参加いただいた「おーぴー」さん、「しつけ糸」さんに感謝!
 


さて、それでは稽古の模様をざっとご紹介。
まずは柔軟とか身体をほぐす系をやったけど描写してもつまんないので、割・愛。

[メニューその1] まずはみんなでコミュニケーション
平田オリザ氏のワークショップでこういうのがあるらしいよ、というのをやってみたものです。
誰かがお題として「好きな◯◯」を挙げ、それが同じになる人たちでグループをつくります。
たとえば「好きな色」なら、赤が好きな人グループや黒が好きな人グループができます。
尋ねるときには、「◯◯な人集まれー!」ではなく、1対1でコミュニケーションを取りながら進めます。
答えの聞き出し方や与え方にも個人差があって、それでなんとなく人となりがわかります。
初対面のかたがいる場面ではほどよく関係性が温まるような気がしました。

[メニューその2] か、かつぜちゅ!
かみまみた。滑舌です。
あめんぼ赤いなあいうえお〜、からの早口言葉。
あんまり描写することもないので、どんな早口ワードをやっているのか紹介しておきます。
「猪(しし)汁、猪丼、猪鍋、猪シチュー、以上、猪食試食審査委員 試食済み 七(しち)種中の四(し)種」
「アンリ・ルネ・ルノルマンの流浪者の群れは 語呂の上から、アンリ・ルネ・ルノルマンの落伍者の群れと改めねばならない」

[メニューその3] でんでんでんぐりがえって倍・返・し!(違)
怪我・事故の起きないよう「マットに礼!」というマット神への祈念の声でスタートする、この稽古。
前転・後転・側転・倒立からの前転etc... 普段はやらない、いってみれば非日常感が満載のマット運動は、なんだかんだでみんな好きなんだと思います。
何かの拍子に今までできなかったことが成功して、心にレベルアップ音が響くようなステキ体験ができることもあるし。
そして後日、非日常的部分が筋肉痛になるのもお約束。
ゲストの2名様もその非日常感を楽しんでいただけたようでした。

[メニューその4] 木刀、とう!とう!
これもまた、非日常感たっぷりです。
というか日常的にやってたらちょっとおまわりさーんな感じです。
木刀の剣さばきを、転機のお芝居で使えるように……つまり見た目リアリティを保ちつつも危険がないように扱うための練習です。
木でできているとはいえ、それは刀。本来、刃があり斬ることができるもの。
脇に携える時に始まり、構え、振る、すべてにおいてその刃を自然に意識するわけですが……
さいしょは、感覚的に馴染まないもんなんですよね。
僕も、初めてこういう稽古をしたときはわかってなかったと思います。
ゲストのおふたりも、かなり苦労されていた様子でした。

[メニューその5] エチュード 〜喫茶・転基地へいらっしゃいませ〜
テキトーにじゃんけんで3名ずつ組み分けされたと思ったら。
喫茶店員1名・客2名の設定で、舞台の上に放り出される。
エチュード、つまりアドリブ劇ですね。
これね、急に振られるとついつい、当たり前の行動しかしなくなるんですよね。
最初はやっぱり、フツーに店に入ってフツーに注文して、フツーに注文を受ける、喫茶店における日常が繰り広げられたりしてました。
僕はちょっと後からの組になったので、なるべくドラマが生まれるようにアンチ・フツーをイメージしてました。
客の側なら「ドラゴンの尻尾ステーキ」を注文しようとか、店員側ならなにを注文されても「そのメニューを注文するとは……言い伝えにきく勇者がついに現れた!」的なことを言おうとか。
そしたらさ。
自分の番が来る前に、1つの条件が追加されました。
「では次からは、何があっても注文しないでくださーい」
もろくも崩れ去る砂のごときプラン。お約束か。
プランB・Cも用意しておかなきゃダメだったなーと反省したものでした☆
 


……ってな具合で、かなり楽しく、いい雰囲気で進められた公開稽古でした。
転機のメンバーもゲストの方々も、みんな良い時間を持って帰れたんじゃないかと思います。

そんなステキな公開稽古ですが、また来月、7月にもやります!
サイトのTOPバナーでお知らせしている通り、

7月5日[日] 13:00〜17:00場所は「倉敷市庄公民館」です。

いやー、7月ともなると暑いですからね。
冬はすずしく夏あたたかいと評判の、我らが稽古場・転基地でございますので、
場所を移してエアコン完備の場所で行いたいと思います。

興味をお持ちの方はぜひ、jinji@tenkiyohou.net までご連絡ください☆